スレートPCを使ったVDI環境での電子サインで保険契約のペーパーレス化を実現

株式会社ふくおかフィナンシャルグループ( 以下、FFG) は、福岡銀行、熊本銀行、親和銀行の3 行から成る金融持株会社です。FFGでは、マルチバンク・シングルプラットフォームの施策を掲げ、 それぞれの銀行の特色を活かして地域のお客様にサービスを提供する一方で、システムや間接 業務については3行で共通化できる部分をシングルプラットフォームとすることで、他行との競争 力を高めています。FFGでは、3行合わせて2000台のスレートPC(タッチパネル式ディスプレ イを搭載したモバイル端末) に、Citrix Virtual Desktops( 旧称:Xen Desktop) を採用した VDI環境を利用しています。

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課 題: ユーザーエクスペリエンスを向上させる ためのペーパーレス化

環境破壊の抑止や印刷コストの低減、情報共有スピードの 向上などをテーマにあらゆる企業・組織で「ペーパーレス」 が推進されていますが、金融業界では別の角度からも ペーパーレス化が求められています。

保険の申し込みは印刷された契約書類に手書きで記入、 捺印することが一般的であり、1つの契約に対して十数枚 の書類を作成する必要があります。契約完了までに1時間 以上の時間が必要な場合もあり、お客様にとっては非常に 負荷の高い作業です。FFGで金融商品に関連するシステ ムを担当しているIT管理部 IT 統括グループ 調査役 篠原 岳彦氏は、保険契約業務のペーパーレス化について 次のように述べています。

「営業担当の業務を効率化するとともに、お客様の利 便性を向上させるためにFFGでは保険契約業務の ペーパーレス化を検討する必要がありました」 少子高齢化によってお客様の高齢化が進んだ結果、 「地方銀行の業務の在り方」も変化してきており、 FFGではお客様にご来店いただくケースもあります が、銀行員がお客様のご自宅に伺うケースもあります。 保険契約業務にモバイル端末や電子サインを活用す ることは、営業担当者を大量の書類から解放するこ とで業務を効率化し、お客様との接点強化に注力で きることにもつながると篠原氏は説明します。

ソリューション: ペーパーレス化に向けた電子サイン

FFGは多くの金融機関、保険代理店で利用されている 保険契約業務の電子化システムの採用を決定。同シス テムにもセキュアブラウザが搭載されているなど一定 の情報漏洩対策は施されていましたが、同社はCitrix Virtual Desktopsを採用することで利便性を担保し ながらセキュリティを強化する方針に決定。篠原氏は 「電子サインそのものがセンシティブな個人情報にあ たるため、電子サインのデータを端末に残さない、端 末の盗難・紛失が発生した場合であってもお客様の 電子サインデータが外部に流出しない仕組みが必要 だと判断しました」と当時を振り返ります。

しかしながら、システムに直接アクセスできるセキュア ブラウザと異なり、シトリックスのVDI環境を経由して 電子サインを行うため、電子サインの追随性となめら かさが検討開始当初の課題となりました。他の金融機 関に先駆けて電子サインを導入していた他行を視察す る機会を得て、VDI環境を利用することのメリットと デメリットや、電子サインの難しさを感じたと篠原氏は 説明します。

FFGでは2018年1月からシトリックスのVDI環境上 でのなめらかな電子サインの実現に向けた実証実験 を開始。なめらかな電子サインの実現にはVDI環境 のバージョンアップ、細かな設定変更が必要であるこ とが判明し、シトリックスとシステムインテグレーター とが密に連携しながら環境構築を進めました。当時の 検証を振り返って、篠原氏はこう説明します。

「実証実験の中で上手くいかないことが続いた時は VDIの採用を見送ることも覚悟しましたが、バージョン アップを含めた検証環境の細かなチューニングなど、 シトリックスの担当者による強力なバックアップで無事 に実証実験を成功させることができました」

  • 「端末に完全にデータを残さない」という高いセキュリティ要件をアプリケーションの仮想化で実現
  • 上記条件を満たしたことで電子サインの導入が可能になり、ペーパーレス化を実現
  • 顧客が銀行に来店する代わりに営業担当が顧客を訪問する営業スタイルへの変革が可能に

導入効果: なめらかで追随性の高い電子サインを Windows OSのVDI環境で実現

実証実験完了後、VDI環境上での電子サインは 2018年4月から本格的に導入が開始されました。
FFGでは銀行に来店していただいたお客様向け にも、また来店できない訪問先のお客様向けにも、 スレートPCを使った“紙を使わない契約手続き“に よって、保険契約におけるユーザーエクスペリエン スの向上を実現しています。

また、ペーパーレス化によって、行員がこれまで紙 で行っていた行内手続き、申込書類のデータ化、保 険会社への原本の送付などから解放され、ビジネ ススピードが向上するとともに、削減した時間を他 の業務に充てられるようになりました。

他行を含めてさまざまな電子サインを調査してき た篠原氏は、自行に導入した電子サインについて 次のように述べています。

「視察を通じて、端末に一切のデータを残さないと いう条件で電子サインを導入することに難しさを 感じていましたが、VDIを活用することでセキュリ ティと利便性を両立することができました。今の環境をさらに進化させるためにも、今後は筆圧を検 知する仕組みなどの最新技術も積極的に採用して いきたいと考えています」

今後のプラン: スレートPCの更改と共に 新たなサービス展開に期待

篠原氏はスレートPCの更改と合わせて、FFGの 目指す業務とアプリケーションの方向性について 次のように述べています。

「端末が新しくなった後も今までの既存のアプリ ケーションが問題なく動作することはもちろん、新 しいスレートPCの機能を使った新しい業務サービ スを企画していく必要があります。カメラやGPS機 能などもすでに利用可能だと聞いているので、今 後もシステム拡張に対するご支援を期待していま す」

テレビ会議システムなどを利用することで訪問先と 銀行とをつなぎ、営業担当と上長とが即座にコミュ ケーションをとることができる仕組みなど、今後も テクノロジーを駆使してさらなる業務効率化・顧 客満足の向上を目指していきたいと篠原氏は続け て説明しています。

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VDIを活用することでセキュリティと利便性を両立することができました
篠原 岳彦 氏
IT 管理部 IT 統括グループ 調査役
福岡銀行

導入製品

導入前の課題

  • 紙の契約書による煩雑な契約 業務
  • 高齢化による銀行への来店顧 客数の減少
  • ペーパーレス化における セキュリティと利便性の両立

導入後の効果

  • 保険契約業務のペーパーレス化を 実現
  • 業務レベルに耐えるVDI 環境 でのなめらかで追随性の高い 電子サイン